雅とは
わが国は古代より、自然や物事を描写する言葉を沢山持っていました。
これは日本最古の歌集である『万葉集』に所載されている様々な歌で、証明されています。
この美しい自然や空気感や色彩感覚を表す言葉を、平安時代の宮中文化が取り込んで作り上げた世界感が、『雅文化』です。
この、『雅文化』を発展させるために重要だったのは、『仮名文字』の発明にほかなりません。
話し言葉を、其の儘表現できる『仮名文字』は、文字自体に美しさが求められ、1000年前にはその美しさが完成しました。
梅 桜 藤 山吹 躑躅 杜若 菖蒲 楓 蛍 蓮 笹…。
数百と言う花木や虫達。
この言葉を表す色合いが在り、衣装や道具 手紙や行事に、この色香を取り入れて来ました。
そして、千有余年『雅文化』は日本の宮中で脈々と受け継がれ、日本文化の基となって現在に至っています。
日本が誇る至高の文化事象が、この『雅文化』です。